思いやり

次女の送り迎えを毎日していると、同じように送り迎えしているお母さん方とも顔見知りになり、時々言葉を交わすようになった。

次女のクラスメイトのT君は一学期の間入院していて学校を休んでいた。
2学期には無事退院して通い始めたことは次女から聞いていたんだけど、本人や彼のお母さんに会うのは今回初めてだった。

薬のせいで少しぽっちゃりしたT君は、あまり友達もいないようで、いつも帰りの会が終わると一人で教室から出てきて、迎えに来たお母さんと帰る。

なんかその姿が寂しそうに見えたので次女にクラスでのT君の様子を聞いたら、2学期最初の頃は心配して彼のことを気にかけていたクラスメイト達も次第に気にかけないようになり、学校生活に慣れず引っ込み思案気味の彼と仲のいい子は今はあんまりいないとの事。

「すぐ泣いちゃうんだもん、ぶつかったりすると。泣きすぎだと思うよ。」と言う次女。

うーん、次女が彼をもう病み上がりの同情する対象じゃないとフランクに見ることは必要なのかもしれないけど、やっぱり1学期間休んでいて、もうできあがったクラスに2学期から突然入り、まだ体調も完全に戻ってるわけではない彼を、そんな簡単にはじいちゃっていいのかなぁ。

次女にはもう少し温かい目で見るようには声をかけた。

2日前,お迎えに行った時に初めて彼のお母さんとゆっくり話すことができた。
腎臓を患っていて、今もまだ疲れやすいこと。だから甘いのかも知れないけど,毎日車で迎えに来ていること、など色々事情を話されていて「足の怪我とかと違って、周りには理解してもらいにくい病気だから・・・。」と笑ってみえた。

本当だよな。次女はギブスに松葉杖だから誰もがあの子を労わってくれる。でも、T君の体のことをきちんと理解して支えてあげようとする子は皆無に近いような気がした。

毎日、毎日一人でとぼとぼとお母さんのもとに歩いてくる息子を心配そうに見てるお母さんの気持ちを思うと胸が痛んだ。

次女にはさらにT君の事情を話し、友達にもそれとなく分かってもらうようにしてねと話したけど、果たしてあの子がどこまでT君やT君のお母さんの気持ちを感じて思いやれるかはわかんないなぁ。同情ではなく思いやる気持ちを持ってほしいんだけど。

T君に何かもっと自信が出て、明るく学校生活を送れるといいなぁ。