お母さんって
先日、叔父のお通夜に参列した時のこと。
親族控え室でいとこたちや叔母と少し話した後、式の会場となる部屋に行ったら、私の父と母が前の方の親族席にもう座っていた。
一般席はまだ空いていたので私は一般席の1番前に座り、母達に「来たよ」と目配せをしたら、突然母が自分のカバンからごそごそ何かを取り出して、隣にいる妹に手渡した。
手渡された妹(私にとっては叔母)はその何かを持って私の方に来た。叔母の手に渡されたのはパールのネックレス。
「お母さんがこれつけやぁって。」とそのネックレスを私に渡しながら叔母が「いくつになっても、あんたの事が可愛いんだねぇ。」と失笑してた。
うちの母はいつもそう。うちの子供達の発表会や卒園式に来ては、私に会場でいきなりそのパールのネックレスをつけさせる。そんなにつけさせたいなら、もうくれればいいのに、式が終わるといつも持ちかえっていく。
まさか、お通夜でまでするとは思わなかったから、私もなんかみんなの手前恥ずかしく、こそこそと急いでつけた。
式が終わって、近づいてきた母の第一声も「あんた、その喪服地味だね。」だった。
うるさいなぁ。喪に服す服なんだから、地味でいいんだよ。それに、忘れてるかもしれないけど、これ結婚が決まった時に一緒に買いに行って選んだやつだよ。
ネックレスも毎度の事で回収された。
家に帰ってから、その話を主人にしたら、笑ってたけど、もう参った参っただよ。
まぁ、こうは言っても、やはりどんな形でも母の愛は感じるわけで、少し嬉しかったりもしてます。
何十年後かには私も娘達に同じ事してるのかもしれないしね。