ブラスの思い出③

副部長に選ばれたことに最初は喜んでいた次女も、3年生が引退しいざ新メンバーでの活動が始まると、なかなか思ったように事は運ばず、四苦八苦してた。

次女は副部長のほかにマーチングリーダーというマーチングのコンテ(動き)を書いたり、コンテの練習時のまとめをする係りにもなったのだけど、元々中学入ってからはあまり前に前に出なくなった次女にとって、100人近い部員の前に立ち、動きを説明したり注意したりするのは、かなりしんどかったようだ。

上手く説明できず、みんなにいらいらされたり、またそんなみんなに自分もいらいたしたり。

「なりたくてなった役でもないのに、こんな事に時間や労力を尽くすのは不本意。もっと自分自身の楽器やマーチングの練習をしたい」と涙ながらにこぼすことも。

でも、2月にあった新メンバーでの初めてのコンサートで、初めて自分たち(マーチングリーダーは全部で4人いる)の作ったコンテを人前で発表し、先輩のようにはまだまだいかないけど、それなりに形にできたのは、自信になり、嬉しくもあったようだ。

マーチングリーダー4人の仲もよくなり、愚痴を言うことはほとんどなくなった。