一生懸命

今日、長女が公立推薦の面接時のスピーチ用の原稿を少し書いたと読んでくれた。

彼女のモットーが「一生懸命」だと書いてあった。

そして、一生懸命やる理由は「あとで後悔するのが嫌だからです」とも書いてあった。

なるほどーと思うエピソードがある。

あの子が一年生の時、実は淡い恋が芽生えていた。

一応、告白もし、付き合うことになったらしいけど、お互いまだ幼いし(相手も一年生だった)うまくコミュニケーションがとれず、一ヶ月もすると(早い!)相手が距離を置くようになった。そんな相手にもう一度距離を縮めようと、必死の長女。向こうは尚更ひいていってしまう。

娘よりも年長者の私は、多分もう相手の子は今は何を言っても、だめだろうと読み、長女にとりあえず今はそっとしておくようにアドバイスしたんだけど、尚なんとか話し合いをしようとする長女。

相手の男の子もいい子だったので、最終的には直接電話でなんでもうだめなのかきちんと話してくれた。その内容は至極もっともで、長女も納得はいったみたいだった。当時、彼は実際は長女のことを若干うっとうしく思ってたから、話の内容は結構きつい内容だったみたいだけど、それでも、長女は自分の悪いところは直していくので、考え直してくれないかと食い下がってた。

もう親としては正直、そんな娘の姿はみじめで「やめてーー」という感じだったけど、何を言っても聞かないので、放っておいたら、さすがにむこうから一切連絡がこなくなった。(メールしても返事がこなくなった。)

そんなこんなで、でもとりあえず長女は泣きもせず学校は通っていたし、見守るしかないなぁと思ってたら、いつのまにか立ち直ってたし、次第に彼への思いも断ち切れたようだった。

バンビちゃんとの新しい恋が芽生えてからは、当時の話も笑い話になり、その時の気持ちをちらっと長女に聞いたら、「やるだけやったから後悔はしてないよ。」みたいな事を言った。そう、あの子は当時とにかく一生懸命だったんだ。その頑張り方は間違ってたのかもしれないけど、あの当時のあの子にはあれが精一杯だったんだ。

あの子の原点はこんなとこにあったんだなぁ。あの子の一生懸命な様は時に不恰好で傍で見てる方は忍びない事も多々あるけど、あの子にとっては、通らねばならない道なんだ。

親が思っている以上に、子供は自分のことを冷静にみているものなんだなぁと少し感動しました。

ちなみに、その時の男の子は、数ヶ月したとき、長女に悪いことをしたと思ってくれたみたいで「もう一度メールしたりできないか」とメールをくれたらしい。でも、その時は長女は気持ちがすっかり整理ついてしまっていたので、「ごめん、無理」と答えたとの事。(昔のメールも、アドレスもぜーーんぶ消しちゃったんだ、と笑う長女はちょっと怖かったけど。)

彼にとっても、少し甘酸っぱい思い出になってるかもしれないなぁ。