父怒る

明日、次女はピアノのコンクールに出ます。

年明けから練習にも熱が入ってるのですが、なかなか思ったように弾けず、一進一退の状態。(足怪我するし、インフルエンザにはなるし。)

この二週間は2日に一度くらいの割合でピアノの先生が見てくれてるのですが、調子の波が激しく先生もはらはら。

先日の木曜日も夜7時から8時までレッスンがあり、この日の調子は悪かった。落ち込んで帰ったらお腹をすかせた主人と長女が待ってた。ごめんごめん、すぐ夕食にするね、とキッチンで食事の支度をしてたら、次女がピアノを弾き出した。(小さな音で)さっき先生に言われたことを直したかったんだと思うけど、いらいらして弾いてるからあまりうまく弾けない。

音をはずした時に、思わず長女がくすっと笑ったのが、相当頭にきたらしく「笑わないでよ!!」と怒った。そして、そのまた数分後、「笑わないでってば!!」と怒鳴る次女の声が。

すると、「もうやめろ!!」とすごい声で次女を叱る主人の声が家中に響き渡った。

思わずしーんとする家。私も思わず料理する手をとめてリビングの様子をうかがった。

「そんな気持ちで弾くなら、もうやめてくれ。家族に気を遣わせてまでやらなくていいよ。」みたいなことを、きつく言われ、次女はぽたぽたと涙を落としてる。なのに、「何を泣いてるんだ!!」とさらに怒る。

くっそーー。前にも書いたが、私は自分が子どもを叱って泣かせるのは平気なくせに、主人が子供を泣かせると無償に腹が立つ。もう、下をうつむいて泣いてる次女がかわいそうで、かわいそうで仕方なかった。

でも、でも、どう考えても主人の言ってることのほうが正しいし・・・。次女はどこかで「コンクールに出る私は大変だから、家族みんな協力して当たり前」みたいに思ってるところがあった。夕飯が自分のせいで遅くなってることへの申し訳ない思いなど持たないし、うまく弾けないことで家族に八つ当たりすることがいけないことにも気づいてない。

ほんとのとこは、ハラワタ煮え繰り返る勢いで主人に腹は立ってたけど、とりあえず黙って見守った。次女は二階の自分の部屋にこもってしまう。

すぐに夕飯になったんだけど、声をかけても次女は下りてこない。主人はまずそうに夕飯食べだした。

二階の次女のもとへ行くと案の定自分の机で泣いてる。「だってお姉ちゃん笑ったんだもん。」の一点張り。そりゃ、笑った長女も悪いけど、そんなことくらいで怒る次女も悪い。それに、一度怒られたのに、2度目もまた笑うほど長女も意地悪じゃないから「二回目は笑ってないんじゃないの?」と言ったけど「笑った!!」と言い張る。

まぁ、いいよ。笑ったとしたって、やっぱりお父さんの言うことの方が正しいんだよ、と一応静かに説明したら、少し納得したのか「涙が止まったらご飯食べにいくから。」と言った。

数分後、食卓についた次女。でも、会話は弾まない。一人長女がこの暗い雰囲気を打破しようと孤軍奮闘して他愛もない話題をふってくるけど、みんな反応がいまいち。かわいそうに。

結局、時間が解決と言うか、その後主人と次女が直接話し合うことはなかったけど、寝る前にはいつもどおり会話してた。よかった。

あんなに、怒る主人を久しぶりに見たなぁ。最初はえらく腹も立ったけど、やっぱりたまには怒って「お父さんは怖い」って思わせるのも大切かもなぁと少しだけ思いました。

ところで、今回一番笑ったのが、次女がお父さんに怒鳴られてる間、話の元凶となった長女がすごくおろおろした顔をしてたこと。あの子なりに、妹がかわいそうだったんじゃないかなぁ。

あとで「あの時本当に笑ったの?」とこっそり聞いたら「二度目もたしかに笑ったけど、あれはメールを見て笑ったんだよ。タイミング悪かったなぁ。」と気まずそうに言ってた。そうか、本当に笑ってたのか・・・。

明日はいよいよコンクール。どうか、あの子が練習してきたものが出し切れて、楽しく弾けますように!!