占い

長女は占いをものすごく信じる。
毎朝、6時55分頃にやる「めざまし」の星座占いを特に信じていて、その結果によってその日の機嫌が決まるから、尚更当たってるような錯覚に陥る。

自分が寝坊して見られなかった日も、「今日何位だった?」とふてぶてしく聞いてくる。「あ、見てなかった。」と言うと、勝手に怒ってる(この態度で何度私に怒られたか分からないけど、懲りずに横暴な振る舞いを続けている)ので、7時少し前に長女が起きてないと、何故か主人と次女がそわそわしてテレビの占いを気にしている。次女なんて、最近メモ用紙に姉のその日の運勢を書きとめるかいがいしさだ。

今日も長女は寝坊した。彼女の星座は12位だった。起きていた他の家族は例え自分の運勢が良くても、何だか気が重くなった。次女は今日も一応姉の開運ポイントを書きとめていた。私は「聞かれるまで12位だったてこと言っちゃ駄目だよ。(特に妹に悪い順位を告げられると機嫌が悪くなる。)」と言った。

起きてきた長女は珍しく今朝は運勢を聞いてこなかった。でも、カウンターの上には次女の書いたメモが。ちらっと一瞥したが、何も言わず着替えをし、朝食を食べる長女。一同安堵し占いのことはしばし忘れていた。
朝食を食べ終わった頃、長女が黙って次女の書いたメモを持って読んでいた。次女がたまりかねたのか「お姉ちゃん、今日12位だったよ…。」と消え入るような声で言ったら、以外にも機嫌良く「うん、分かってる。ありがとう。」と言った。そして、素直に次女の残したメモの開運のためのアドバイスを実行をし始めた。(「身だしなみを整える」とあったから洗面所で念入りに髪型を整えていた。「横断歩道を渡る。遠回りをする。」と書かれていたので、いつもは私に怒られるまで家を出ないくせに、今日は自分からものすごく早く家を出て、わざわざ学校とは反対方向の横断歩道を渡りに行くという徹底ぶり。)

そして、先ほど帰って来た長女はすこぶる上機嫌。いつも以上に饒舌に学校の出来事を語るので、ふと今日運勢が悪かった事を思い出して「12位だったわりにいい一日だったようですね。」というと「うん、やっぱり遠回りして横断歩道を渡ったからだな。」と満足気に行った。
長女の占い信仰はますます強まりそうだ。