大阪珍道中⑪

最後のカーテンコールが終わったのが10時半近く。普段9時就寝の次女は興奮して眠そうではありませんでしたが、疲れているようでした。
龍の子の余韻に浸りながら、NHKホールのエスカレーターにのると、今度は夜の暗闇の中美しく浮かび上がる大阪城が。綺麗だねぇ、と次女に話し掛けると、少し泣きそうな顔をして「・・・おなかが痛い・・・。」と言った。

えーー、どうしよう、と焦りながら「親指の付け根の所を押さえると治まるらしいよ。」とむかーしに誰かから聞いた民間療法を伝えた。黙って親指の付け根を押さえる娘。
「ほんとだ、治った!」
・・・よかった、素直な子で。

夕飯何を食べようかなぁと考えながら難波の駅に着くと、昼間の賑わいが嘘のように地下街は静かになっていた。その時すでに11時。道頓堀界隈に女二人で行くのはなんだか危険な気がして、どうしようかと迷っていると、娘が「あんまりお腹空いてないし、コンビニのおにぎりでいい。」と言ってくれた。
ごめんよぉ。せっかく大阪まで来たのに、おにぎりなんかで。ホテルの近くのコンビニでおにぎりを買いました。
「ジュースやお菓子、アイスも買ってあげるよ!!」と言ったのですが、まだ少しお腹が不安な娘は「いい、いい、おにぎりだけで。」と首を横に振るだけ。
あやしげなホテルの立ち並ぶ町並みでコンビニの袋をぶら下げ歩く寂しげな母子二人連れ。

ホテルにつき、まずお風呂に入りたいと言うのでせっまーいお風呂に二人で入りました。まぁ、いくら狭くともやっぱり汗を流したらすっきりして、ベッドの上で二人で美味しくおにぎりを食べました。娘は少し元気になって、昼間買っておいたチョコレートを食べながら、「あるある探検隊」の本を楽しそうに読み、歯磨きして寝ました。
その隣で私はクラウディアのパンッフレットを幸せそうに読み、「ねぇ、風間君かっこよかったよね?お芝居はどうだった?上手だったよね?」としつこく娘に同意を求めました(やめなさい)。娘は少し鼻で笑いながらも「うん、かっこよかった。」とか、「うん、かっぽんの最後のセリフさー、あそこ一番良かったよぉ。」とか多少面倒くさそうではありましたが返事をしてくれました。そして私もやはり幸せに眠りにつきました。
続く