父の回復

今日お昼に父が自分で車を運転して母を乗せ、我が家に来ました。
去年までは何でもなかったことなのですが、今年の年明けに体調を崩し、一時危篤となった父がここまで回復したことは、私たち家族にとっては奇跡に近いことなのです。

父が救急車で運ばれ危篤と言われたのは今年の1月7日のことでした。その数日前までは元気で正月で帰省中だった兄の家族と楽しく年末年始を過ごしていたので、私も母も東京に住む兄も大変驚きました。ICUに2週間入り、その間一時病状が悪化し最悪の状況にまでなったのですが、奇跡的に快復し始め、3月の末に無事退院し現在自宅療養中です。

父がこのまま死んでしまうかもしれないと思った時、最後に父と会ったときの様子がはっきり思い出されました。1月4日訪問先でおもちをもらった父がうちの子供達にと車で届けに寄ってくれました。しかし、部活に行って留守だった子供達には会えず、私も正月の疲れで少しのんびりしたいなという思いから、いつもなら「コーヒーでも飲んでいく?」と声をかけるところを、かけずにそのまま帰してしまったのです。「じゃあね。」と車に乗り込んでいく父の後ろ姿が目に焼き付いていつまでもはなれず、「どうしてあのとき誘ってあげなかったんだろう・・・。あれがお父さんと交わした最後の言葉なんて・・・。」とひどく後悔し悲しくて仕方ありませんでした。ICUで呼吸器をつけられ意識不明のまま寝ている父の耳元に毎日「早く元気になって、またうちにコーヒー飲みに来てね。」と言い続けていました。そんなこともうないだろうと心のどこかで諦めながら言い続けました。

そんな辛い日々を何日か過ごした後、思いがけず少しづつ回復し始めた父は一般病棟へ移り、2ヶ月後無事退院。昔のように元気に歩いたりはできませんが当時からすれば夢のような話です。(兄と「いつか笑い話になるといいね。」なんて力無く話したりしていたことが現実になるなんて。)
今日晴れて本当に父が再び我が家を車で訪れたときは思わず涙が出そうなくらい嬉しかったです。
依然よく行ったお店でお昼を食べながら、快気祝いの相談をして幸せをかみしめた午後の一時でした。